栞

2022/08/25 15:35




最近、
トートバッグをひとつ、作ろうとしている。

以前革の仕事をしていた時は、“バッグの1つくらい余裕で作れます“みたいな顔をしていたいような節があったけれど、
改めて考えると、自分にとっては全くそんなことはなくて、なかなか大きめなひとつのプロジェクトだよなあと思う。

大きなブランドや鞄屋さんにとっては何千個のうちのひとつでしかないかもしれないけれど、
私にとっては、頼まれた人の話を聞いて、どんな気持ちで頼んでくれたのか、どんな風に、どんな場面で使っていきたいのか、
その人は普段どんな服を着ていて、どんな物を持っていて…
(どんな、と書きすぎてゲシュタルト崩壊。笑)

対話や文面から様々なことを想像し、それらを踏まえてデザインや機能を考える。

デザインや機能ということについても、
革の種類、全体のサイズ感、部分ごとのそれぞれのサイズ感やバランス、持ち手の形や長さ・太さ、そして手縫いかミシン縫いか。
分解すると多くの要素になって、一つを変えるとあっちも変わる、みたいなことを繰り返す。

いや、これは 大きなものづくり だ。

使い手になるべく長く使ってもらえたら嬉しいなあと思うし、
そのためにはその時々の自分ができる限りのものを、
なるべくその方と対話しながら、生活に寄り添える形にして、作りたいと思う。

ふと、思ったことでした。


Mail Magazine

現在メールマガジンはお休みしています。
よろしければInstagramをフォローくださいませ。