2024/03/29 16:06
栞では染料染め・タンニン鞣しの革を使用しています。
これらの革は、ひとつひとつが異なる表情を持ち、
使い続けることでも様々に色の深みを増し、艶が育まれていきます。
作り手だけでなく、使う方それぞれの手の中で作品を作り上げてもらえたら、と
日々使う中で最も美しく完成していく革を素材に選んでいます。
革それぞれが持つ固有の表情は、“自然の刻印(natural stamp)”と呼ばれるのですが、
私は個人的にこの表現がとても好きです。
革は生きていた動物から、多くの人の手を渡り、ここにたどり着いた素材。
そんなふうに手から手に渡ってきた革の、自分には知り得ない生き様が少しでも感じ取れるように思うのです。
均一で工業的な美しさとは一味違った、自然素材だからこそのゆらぎや儚さ、
ひとつしかない表情との出会いを楽しんでいただけたら幸いです。
革の種類により、変化やお手入れが異なるため、詳細は以下をご覧くださいませ。
|オイルレザー
Toscano Liscioフランス原産、イタリアのタンナーによって仕上げられた染料染め・タンニン鞣しのオイルレザー。
シンプルだからこそ素材の良し悪しが見えやすく、質の高い革が使用されています。
オイルをしっかりと含んでいるため、日々ご使用いただくことで自然と艶が増し、より美しく変化していきます。
革に艶が出てからは、表面に油膜ができている状態のため、多少のかすり傷などは指で擦っていただくと消すことができますが、
ご使用当初は水濡れなどが染みになってしまいやすい特徴があります。
変化は比較的早く、艶が出てからは非常に心強い革なので、最初だけほんの少し気にかけていただければ幸いです。
使い始めがご不安な場合や、使っている中で傷が気になる場合は、市販の防水スプレー・ケアクリームなどを
目立たないところで試してからご使用くださいませ。
作家個人としては、Brownの経年変化、艶の美しさはこれまで出会った革の中で一番です。
|ユニークレザー
Alaska
Sibilla Liscio
Margot
栞では現在、数種類のユニークレザーを素材として使用しています。(いずれも本革・タンニン鞣し・染料仕上げ)ユニークレザーとは、革の表面に特徴的な仕上げをした本革のことで、
従来より懸念されることの多い、使用時の傷つきやすさなどを革自体の表情として楽しむことができる素材です。
栞ではなるべく、日常の中で気負わずに革ものを使っていただきたいなあという想いもあり、
ぜひ色んな方に使っていただけたら嬉しいです。
ユニークレザーについては、その色ムラなども風合いとして楽しんでいただく素材のため、
基本的にお手入れなどは必要ありません。
皮革用クリームや防水スプレーなどにより染みが出来てしまう恐れがあります。
|Alaska / ロウ吹きレザー
栞の作品で多く使用している、白っぽい革は、表面をロウ吹き仕上げしたイタリア産のユニークレザーです。
使い初めは、表面にロウが吹き付けられているため白色が強く、色ムラやシボなど独特の風合いがあります。
使い込んでいくと、表面のロウが革に馴染んでいき、艶が増していきます。
また、少しずつ革の地の色が見えてくるため、コクのあるベージュ色に変化していきます。
使い初めは、表面にロウが吹き付けられているため白色が強く、色ムラやシボなど独特の風合いがあります。
使い込んでいくと、表面のロウが革に馴染んでいき、艶が増していきます。
また、少しずつ革の地の色が見えてくるため、コクのあるベージュ色に変化していきます。
|Sibilla Liscio / ワックスレザー
こちらの革は、表面をワックス仕上げしたイタリア産のユニークレザーです。
ロウ吹きレザーよりも、繊細な乳白色がグレーの色味の上に乗っています。
革自体もロウ吹きレザーよりもシボやムラが少なく、少しハリのある固めの質感となっています。
使い初めは、表面のワックスによりマットな白色が強いですが、
使い込んでいくと、色味が深まり艶が増していきます。
ロウ吹きレザーよりも変化は比較的ゆっくりとしている印象です。
|Margot / スクラッチレザー
スクラッチレザーは、革の表面に削り(スクラッチ加工)をかけ、和紙のような質感を持たせたイタリア産のユニークレザーです。
使い初めは、手触りも和紙のようにざらつきがあり、マットでしっとりした触感を楽しめます。
革自体には、しっかりとオイルが含まれているため、使い込むほどに艶が増し、独特の風合いへと変化していきます。
スクラッチレザーは、革の表面に削り(スクラッチ加工)をかけ、和紙のような質感を持たせたイタリア産のユニークレザーです。
使い初めは、手触りも和紙のようにざらつきがあり、マットでしっとりした触感を楽しめます。
革自体には、しっかりとオイルが含まれているため、使い込むほどに艶が増し、独特の風合いへと変化していきます。
革自体には、しっかりとオイルが含まれているため、使い込むほどに艶が増し、独特の風合いへと変化していきます。
|金具の素材について|
作品で使用している金具は、全て真鍮を使用しています。
真鍮は金属の中では比較的柔らかく、また人の手や空気に触れることで、
色が深まり、くすんだような独特な風合いを持ちます。
色が深まり、くすんだような独特な風合いを持ちます。
黒ずみなどが気になる場合は、市販の磨き布などでお手入れいただくと輝きを取り戻しますが、
磨き方などにより、真鍮特有の風合いも消えてしまうことがあります。
個人的には、日々使うことが1番の錆止め、美しく保つコツだなあと感じています。
|ご留意いただきたいこと|
作品の写真は、なるべく素材の色をそのまま映すようにしておりますが、
ご使用のデバイスにより、作品のお色味などが実際の色味と異なって見える場合があります。
ご使用のデバイスにより、作品のお色味などが実際の色味と異なって見える場合があります。
栞の個展やイベントなどでは、実際の作品や革を見たり、触れていただくこともできます。
ぜひ、実際に手に持ってみて、しっくりとくる作品を長く使っていただけたらと考えています。
機会があればぜひ、遊びにいらしてください。
(イベントなどの情報は、Instagramで更新しています。ページ最下部のInstagramアイコンからご覧いただけます。)
どうぞ、みなさんに革という素材の楽しさを味わっていただけますように。