2024/07/03 22:17
栞ではタンニン鞣し・染料染めの革を使用しています。
これらの革は、表面を塗料で覆い隠してしまうのではなく、
個体の持つ表情が色と共に透けて見えるような仕上げとなっています。
そのため、ひとつひとつが人の肌のように異なる表情を持ち、
使い手によって、様々に育まれていきます。
作り手のみでなく、使う方それぞれの手の中で作品を育ててもらえたら、と
日々使う中で最も美しく完成していく革を素材に選んでいます。
ひとつひとつの革が持つ固有の表情は、
“自然の刻印(natural stamp)”と呼ばれます。
革は生きていた動物から、多くの人の手を渡り、ここにたどり着いた素材。
自然に近い素材だからこそ、歪みや色むら、多少の傷などがあります。
工業的な均一な美しさとは一味違った、自然素材だからこその歪みやゆらぎ、
ひとつしかない表情との出会いを楽しんでいただけたら幸いです。
革の種類により、変化やお手入れが異なるため、詳細は以下をご覧くださいませ。
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革の手触りや実物をご覧になりたい方は、サンプルをご注文いただくことも可能です。
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|BROWN / Oil leather
フランス原産、イタリアのタンナーによって仕上げられた染料染め・
タンニン鞣しのオイルレザー。
シンプルだからこそ素材の良し悪しが見えやすく、質の高い革が使用されています。
オイルをしっかりと含んでいるため、日々ご使用いただくことで自然と艶が増し、
より美しく変化していきます。
革に艶が出てからは、表面に油膜ができている状態のため、多少のかすり傷などは
指で擦っていただくと消すことができますが、ご使用当初は水濡れなどが染みになって
しまいやすい特徴があります。
変化は比較的早く、艶が出てからは非常に心強い革なので、最初だけほんの少し
気にかけていただければ幸いです。
使い始めがご不安な場合や、使っている中で傷などが気になる場合は、市販の防水スプレー・
ケアクリームを目立たないところで試してからご使用くださいませ。
|ユニークレザー
WHITE Alaska leather
GRAY Wax leather
BLACK Scratch leather
ユニークレザーとは、革の表面に特徴的な仕上げをした本革のことで、
従来より懸念されることの多い、使用時の傷つきやすさなどを革自体の表情として楽しむことができる素材です。
栞では「なるべく日常の中で気負わずに革ものを使っていただきたい」という想いから、
数種類のユニークレザーを使用しています。(いずれもタンニン鞣し・染料仕上げ)
ユニークレザーについては、その色ムラなども風合いとして楽しんでいただく素材のため、
基本的にお手入れなどは必要ありません。
市販の皮革用クリームや防水スプレーなどのご使用は、シミなどの原因となりますのでご注意ください。
|WHITE / Alaska leather
WHITEで使用している白い革は、表面をロウ吹き仕上げした
イタリア産のユニークレザーです。
表面にロウが吹き付けられているため、使い初めは白色が強く、
色ムラやシボなど独特の風合いがあります。
使い込んでいくと、表面のロウが革に馴染んでいき、艶が増していきます。
また、少しずつ革の地の色が見えてくるため、コクのあるベージュ色に変化していきます。
|GRAY / Wax leather
グレーの革は、表面をワックス仕上げしたイタリア産のユニークレザーです。
ロウ吹きレザーよりも、粒子が細かく繊細な乳白色がグレーの色味の上に乗っています。
革自体もシボやムラが少なく、少しハリのある固めの質感となっています。
使い初めは、表面のワックスによりマットな白色が強いですが、
使い込んでいくと、色味が深まり、とても美しく艶が増していきます。
ロウ吹きレザーよりも変化は比較的ゆっくりとしている印象です。
|BLACK / Scratch leather
スクラッチレザーは、革の表面に削り(スクラッチ加工)をかけ、和紙のような質感を持たせたイタリア産のユニークレザーです。
使い初めは、手触りも和紙のようにざらつきがあり、マットでしっとりした触感を楽しめます。
革自体には、しっかりとオイルが含まれているため、使い込むほどに艶が増し、独特の風合いへと変化していきます。
革自体には、しっかりとオイルが含まれているため、使い込むほどに艶が増し、独特の風合いへと変化していきます。
|金具の素材について / Brass Material
作品で使用している金具は、全て真鍮を使用しています。
真鍮は金属の中では比較的柔らかく、また人の手や空気に触れることで、
色が深まり、くすんだような独特な風合いを持ちます。
黒ずみなどが気になる場合は、市販の磨き布などでお手入れいただくと輝きを取り戻しますが、
磨き方などにより、真鍮特有の風合いも消えてしまうことがあります。
個人的には、日々使うことが1番の錆止め、美しく保つコツだと感じています。
|ご留意いただきたいこと / Attention
作品の写真は、なるべく素材の色をそのまま映すようにしておりますが、
ご使用のデバイスにより、実際のお色味と異なって見える場合があります。
栞の個展やイベントなどでは、実際の作品や革を見たり、触れていただくことができます。
ぜひ、実際に手に持ってみて、しっくりくる作品を長く使っていただけたらと考えています。
機会があればぜひ、遊びにいらしてください。
(イベントなどの情報は、Instagramで更新しています。ページ最下部のInstagramアイコンからご覧いただけます。)
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どうぞ、みなさんに革という素材の楽しさを味わっていただけますように。